世の中すっかりZOOM、ZOOM。執筆者の職場でもZOOMで会議やセミナー等を行うことがすっかり浸透しました。
今回、「ZOOM上で開催したセミナーの録画データをDVDにして欲しい」という指示が持ち込まれて、いろいろ試行錯誤した結果、「どうしてもという場合以外は、データ納品すべき」という結論に至ったので理由をシェアします。
※今回執筆者は「これをDVDにして」と録画データを渡されただけなので、ZOOMの設定は見ていません。もしかしたらZOOM側の設定で解消できる問題もあるかもしれませんが、そこは考慮していないのでご了承ください。
ちなみに、動画の編集にはAdobe premiere、DVDのオーサリングにPegasysのTMPGEnc Authoring Worksを使用しています。
理由1:解像度の違い
ZOOMの録画データの解消度は、フルHD(1920x1080)です。パワーポイント等の資料を共有する際、比較的小さな文字でもはっきり読めます。 対するDVDは720x480。これは規格上変更できません。
DVDに焼くときに画面が縮小されるので、文字が潰れて汚くなります。最悪読めない可能性も出てきます。
つまり、文字の内容をきちんと伝えるためにはDVDと一緒に、紙のテキストも一緒に相手に渡す必要が出てくるのです。これは面倒くさい。
理由2:fps(フレームレート)の違い
ZOOMの録画データのfpsは25です。
対するDVDは、日本の場合NTSC方式で29.97です。これも変えられません。
fps25の録画データをfps29.97のDVDに焼きこむととどうなるか。
動いている映像の場合はそれほど気になりませんが、静止画の場合はすごくチラつきが激しくなります。
文字なんか読めたものではないです。
PAL方式で焼いたらどうか
PAL方式のDVDだと、fpsが23.98となるため、ZOOMの録画データのfpsとより近い分、まだ「見れる」状態になります。
しかし、PALのDVDは日本で出回っている一般のDVD再生機器にほぼ対応していないため、PCで見ることが前提になります。
PCで見る前提なら、データ納品で良くない?となるわけです。フルHD(1920x1080)のまま見れるわけだし、作業側としても余計な作業に時間を取られなくて済みます。
元のデータのfpsを変えてみたらどうか
録画データのfpsを29.97に変換してDVDに焼く、という方法が良いように思いやってみましたが、音の質が変わってしまい、うまくいきませんでした。
これはもう少し時間があったら解決方法がわかったかもしれませんが、時間をかけられなかったのでできませんでした。
もし、うまくいくならこの方法(元データを29.97に変換→NTSC方式で焼く)が一番良いと思います。
DVD形式にする利点
DVD再生機器で再生できる
プレステとかでも再生できる。(※プレステ2までの知識)
簡単にコピーできない
ちょっと調べれば簡単にできちゃうけど、世の中ちょっと調べない人の方が割合として多い。
結論:データ納品で良いならデータ納品で!
フレームレートの違いはもしかしたらどうにかなるかもしれませんが、DVD形式の解像度が低いことだけはどうにもならないので、データ納品できるのであればそれがベストです。容量もそのほうが少なく済みます。
未だに広く浸透してはいますが、私たちはそろそろDVDが「登場から何十年も経っている旧式の映像記録媒体」だということを認識すべきではないでしょうか。