2013年4月25日木曜日

【Illustrator】 イラレで左右対称の図形を描くときに鏡面編集する方法 【Tips】

『左半分を編集したら、右半分にも反映される(ように見える)』方法です。

イラストレーターで左右対称の図形を描く場合の方法としては、
[片面だけ描く]→[リフレクトツールで反転コピー]
が王道だと思います。

しかしこれだと反転後の状態を想像するしかないので、実際反転コピーしたときに「なんか思ったのと違う…」となることが多々あります。

今回ご紹介する方法なら、反転コピーした状態を常にプレビューしながら形を描くことができます

メタセコイアを弄ったことがある方はミラーリングをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
(実際執筆者は「イラレでメタセコみたいなミラーリング編集できないかなあ」と考えてこの方法にいきつきました)


※ イラレのバージョンによっては手順が異なることがあります(執筆者はCS5使用です)

それでは、実際にワイングラスを例にして手順を紹介していきます。



【ワイングラスを描いてみる】

1.ガイドを引く

それではワイングラスを作り始めます。
まずはアートボード の中央にガイドを引きます。

【アートボードの中心にガイドを引く方法】
メニューの[表示]→[定規]→[定規を表示](もしくはCtrl + R)でルーラーを表示させたら、左のルーラーからドラッグで適当にガイドを引っ張り出します。

その後、ガイドを選択し整列パネルの整列メニュー(パネルの右下にあります(CS5))から、「アートボードに整列」にチェックを入れ、「水平方向中央に整列」をクリックすればガイドがアートボードの中央にきます。


※ガイドを引いたら、動かないようにロックしておきます。

2.アートボードと同じ幅の線を描く

これが鏡面編集の重要なポイントです。
中心点を指定するためにアートボードと同じ幅の線を引き、アートボードに水平方向に整列して置きます。
アートボードと線の中心がずれないように注意してください。

邪魔にならないよう、アートボードの外に描くと良いと思います。

メニューバーから[表示]→[スマートガイド]と[ポイントにスナップ]にチェックを入れるとやりやすいと思います。

3.レイヤーにアピアランスを設定する

レイヤー自体に反転コピーの設定を行います。

レイヤーパネルから、レイヤーのアピアランスを選択します。
(レイヤー名の右にある○(左図参照)をクリックして◎になればOK)


次に メニューバーから[効果]→[パスの変形]→[変形]と進みます。
ウィンドウが出るので、左図のように設定します。

・コピー:1
・垂直方向にリフレクトにチェック

また、アピアランスパネルメニューの「新規アートに基本アピアランスを適用」にチェックを入れておくと、オブジェクトを描画したときレイヤーと2重に効果がついてしまうのを防げます。(自分で気づける人は必要ないです)

4.アートボードの方側にオブジェクトを描く

左右どちらでも構わないのですが、左図では、アートボードの左側にワイングラスの左半分の形を描きました。

するとアートボードの右側に、ちょうど鏡に映したようにオブジェクトが表示されます。(アウトランで見ると、左側しかオブジェクトがないのがわかります。)

この状態で、納得のいく形になるまで編集します。

(この状態で左右非対称のオブジェクトを追加したい場合は、アピアランスを設定していない別レイヤーに描きます)

また、自分が混乱しないなら左右の描画が混ざっても問題ないです。(例:クマを描くとして耳は右に描画し、目は左に描画する…とか)

※手順2で引いた線から描画がはみ出ると中心点がずれます。
手順2では手順解説の便宜上アートボードと同じ幅で線を引きましたが、本当はアートボードの大きさと線を合わせる必要はありません。重要なのは「中心点を設定するための線を引く」、「鏡面編集したいオブジェクトをその幅の中に収める」という2点です。

5.アピアランスを拡張する 

形が決まったら、レイヤーパネルからアピアランスを選択した状態で、メニューバーから[オブジェクト]→[アピアランスを分割]を選びアピアランスを拡張します。

(線の種類やプロファイルを変更している場合は、アピアランスを分割すると線が塗りに変わってしまうため、アピアランスの分割ではなく、「アピアランスを解除→リフレクト」をする必要があります。)
あとは好きに書き足してワイングラスを仕上げます。

また、ハートマークなど、左右が接合したオブジェクトの場合は、アピアランス分割後に接合点を結合するのを忘れないよう注意してください。

【終わりに】

※すごい余談なので時間のある方だけ読んでください。

メタセコイアのミラーリング機能

そもそも執筆者がこの方法にいきついたのは、「メタセコイアのミラーリング機能と同じことが、イラレでもできないか」との考えからでした。

3Dモデリングソフトは多くの場合、ミラーリング機能が搭載されており、鏡写しのようにプレビューしながら片側だけを作りこむことができます。
そして形が決まったらミラー部分を実態化(フリーズといいいます。うまい言葉が見つからない…)させてモデリングを完成させます。

メタセコイアの場合はミラーリングをレイヤー単位で設定でき、左右非対称の部分は別のレイヤーで作ることができます。

今回ご紹介した左右対称編集の方法は、このミラーリングを疑似的にイラレで再現する方法、といえます。

今回この方法で左図のような水着の女の子を描いてみました。

しかし2Dイラストは3Dオブジェクトのように勝手に光源に合わせて影がついたりしないですし、影の部分まで左右対称に描くケースはほとんどないと思います。
ですので、ベースの色を配色したあたりでアピアランスを分割するのが現実的かな、と思いました。


参考までに、水着さんのプレビューとアウトラインの全貌と、レイヤー分けがわかるようにキャプチャを載せておきます。

(画像クリックで拡大します)


それでは、今回はこれで終わります。

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