その方が使用しているソフトに合わせて、今回はPhotoshop Elementsを使いました。バージョンは11です。
※Photoshop Elementsの操作やお絵かき自体が初心者の方でもなるべく簡単に、それっぽい太刀筋を描けるように考えたつもりなので、あまり本格的なものではありません。
それでは下記より詳しい説明をします。
1. 太刀筋の「あたり」を描く
まずは剣を振っている絵を描きます。(本当は人物(犬)と背景は別のレイヤーにした方が良いのですが、この例では説明をシンプルにするために一緒にしてあります)
その上に新規のレイヤーを作成し、ブラシツールでだいたいの太刀筋の形を下書きします。
(左図参照。すべての画像はクリックで拡大します。)
2. 楕円シェイプツールで太刀筋の形を作る
【外側から描く】 まず太刀筋の外側から作ります。
シェイプツールに持ち替えて、形状を楕円にし、画面にだいたいの大きさの楕円を描きます。
このままだと下絵が見えないので、シェイプレイヤーの不透明度を下げます。
次にシェイプ選択ツールに持ち替えて、今描いた楕円の大きさや角度を微調整します。
楕円の色も変えました。
すでに描いたシェイプの色を変える場合は、レイヤーのサムネイルをダブルクリックするとカラー変更のダイアログボックスを開くことができます。
【内側を描く】
外側の形が決まったら、太刀筋の内側を作っていきます。
楕円ツールに持ち替えて、シェイプの重ね方を「削除」に変更します。
これによって、左図のように新しく描いた楕円で先に描いた楕円を抜くことができます。
先ほどと同じように、シェイプ選択ツールで内側の楕円の大きさや角度を調整します。
太刀筋の先端も、同様の方法で作ります。
※手順は先ほどと同じですが、先ほどシェイプの重ね方を「削除」に変更したので、楕円を描き始める前に「標準」に戻します。
3.いらないところを消す
まず、シェイプレイヤーをラスタライズします。画面上部のメニューバーから[レイヤー]→[レイヤーをラスタライズ]を選択すると、現在選択中のレイヤーがラスタライズされます。
【ラスタライズについて】
シェイプレイヤーはベクター形式の描画レイヤーです。これを消しゴムツールで消したり、フィルターをかけたりするにはラスター形式の描画に変更する必要があります。
ベクター、ラスターの話は少し難しいので「シェイプをいろいろ加工するにはラスタライズが必要」という程度に認識してもらえれば大丈夫です。
太刀筋に不要な部分を消しゴムツールで消します。
4. 描画モードを変更する
レイヤーの描画モードを「覆い焼きカラー」に変更します。(左図参照)覆い焼きについての説明も難しいのでできませんが、「とりあえずかなり明るくなる」と思っていただければ大丈夫です。
覆い焼きの結果は、元の色の明るさによって違ってきます。
5. ディティールを追加する
だいぶ「それっぽい」感じになってきましたが、もう少し細部を調整したいと思います。【ぼかしを加える】
画面上のメニューバーの[フィルター]から[ぼかし]→[ぼかし(ガウス)]を選択します。
【フィルターで勢いを表現する】
画面上のメニューバーの[フィルター]から[表現方法]→[風]を選択します。
左図のようなダイアログボックスが開きます。
種類を「強く」、方向を「左から」にしてOKを押します。
左図では、さらに「風」フィルターの種類を「標準」して2度重ねてかけました。
太刀筋の先端は方向を「右から」にしています。
※「風」フィルターは簡単に勢いを表現できて便利なのですが、水平方向にしか設定できません。
例えば垂直に効果をかけたい場合は、「一度レイヤーを90度傾けて効果をかけたあと、元の角度に戻す」というような手間が必要になります。
【赤みを帯びた太刀筋にする】
次に画面上のメニューバーの[レイヤー]から[レイヤースタイル→[スタイル設定]を選択します。
左図のようなダイアログボックスが開くので、「光彩」と「外側」にチェックを入れ、色を赤にします。
サイズや不透明度は好みで変えてください。
すると、太刀筋の外側にぼんやり赤みが入ります。
おまけ
以上で太刀筋についての説明は終わりですが、最後に犬の勢いのつけ方と、足元の集中線の描き方について、簡単に説明します。【人物(犬)の方にも勢いをつける】
太刀筋同様に、「風」フィルターを使います。
レイヤーをコピーして「風」を適用した後、いらない部分を消しゴムで消します。
消しゴムはぼかしの入ったものを使うといい感じになりやすいです。
【集中線を描く】
手順は左図をご覧ください。
詳しい説明はしませんが、左図の通りの設定で集中線を作ることができます。
また、普通のPhotoshopでも同じ手順で集中線がつくれます。
「簡単に」と謳っている割に少し手順が多くなってしまった気がしますが…。
でも「シェイプの組み合わせでいろいろな形が作れる」ことと、「フィルターでいろいろな効果を追加できる」ということを知っていれば、応用できる幅が広がると思います。
それでは、今回はこれで終わります。
ちょうど描きたいと思っていた内容ドンピシャの記事だったので、とても助かります。貴重な技術の紹介ありがとうございましたm(_ _)m。
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