2012年7月23日月曜日

NiVE2でボカロPVを作る・11(最終回) 【初心者集中入門講座】

フリーのモーショングラフィックソフトのNicoVisualEffects2(以下NiVE)を使って、VOCALOIDのミュージックビデオを作成するチュートリアルです。
NiVE2をインストールしてみたけど、「手も足も出ない」状態の人が、「難しいことはいいから、とにかく素材を動かせるようになる」ことが目標です。

【第11回のポイント】

  • 動画の書き出し
  • つんでれんこの連結エンコード









※画像はクリックで拡大表示します。
まずはNiVEを起動して前回までのプロジェクトファイルを開きます。



NiVEからaviへ書き出す

 左図は、動画が完成した状態のNiVEの画面です。
これから、作成した動画をニコ動等へ投稿できる形に書き出そうと思います。

しかし、残念なことにNiVEは動画の書き出しが得意ではありません。
音が切れてしまうなどの不具合が頻繁に起こるうえ、2GB以上のaviの書き出しはできません。

不具合を回避するために
2Gにおさまるように動画を分割し、非圧縮aviとして音声を抜いた状態で書き出し、他のソフトでaviと音声を合体させて、エンコードする』という方法を解説します。
少し面倒ですが、NiVEに音を入れて書き出すより確実です。
音声を抜いた状態で書き出しを行うために、タイムラインの音楽レイヤーの音をミュートにします。
(左図の矢印が指すところにスピーカーのアイコンが出ているので、クリックして消します。これでミュートになります)
 画面上部のファイルメニューから[書き出し]→[VFWOutput]を選択します。

すると、タイムラインのタブに「レンダーキュー」が表示されます。
 (1)
「終了時間」の右に表示されている、下線のついたテキストをクリックすると、左図のようなウィンドウが開きます。「00:01:30:00」として、OKを押します。
動画の内容や大きさにもよりますが、だいたい1分30秒くらいで切ると、書き出したとき2G以内におさまると思います。
ボカロPVなら、長くても一曲5分くらいですから、多くても4、5分割で書き出しできると思います。
 (2)
「レンダリング設定」と書いてあるところをクリックし、左図のようなウィンドウが開いたら「圧縮設定」のボタンを押します。
圧縮プログラムを「全フレーム(未圧縮)」とし、OKを押して戻ります。
(3)
「開始」ボタンを押します。レンダリングが開始され、進捗バーがだんだん緑色になります。レンダリング時間は、PCの性能と、動画内でNiVEにどれだけ複雑な処理をさせているかで変わってきます。この動画は特殊効果など使っていないので、2年前ヤマダ電機で激安で買った執筆者のPCで~5分ほどのレンダリング時間でした。

書き出されたaviのサイズは1.85GBでした。
続けて、次の書き出しを行います。
ファイルメニューから再び[書き出し]→[VFWOutput]を選択し、レンダーキューから今度は開始時間を変更します。
先ほど終了時間を「00:01:30:00」としたので、今度は開始時間を「00:01:30:01」とします。
終了時間は、そのままでOKです。
サイハテは短い曲なので、分割が一回で済みました。

レンダリング設定を確認し、レンダリングを開始してください。
2番目に書き出したファイルのサイズは1.48GBでした。

動画を合体させ、エンコードする

分割して書き出した動画を合体する方法はいろいろあると思いますが、本講座では合体とエンコードがいっぺんにできる、つんでれんこの連結エンコード機能を使います。

【つんでれんこ】
無料で配布されているエンコードソフトです。
まさかのCUI仕様ですが、非常に簡単に動画投稿サイトに向けたエンコードを行ってくれる、便利なソフトです。
本講座では、ダウンロード・インストールなどの手順は飛ばし、つんでれんこの使い方がわかっていること前提で連結エンコードのやり方のみ解説します。
インストール方法など、つんでれんこに関する詳しい情報は、配布サイトやWikiを参考にしてください。
つんでれんこ配布サイト
つんでれんこまとめWiki
まず、新規でフォルダを作成し、合体させたいaviファイルと、音楽ファイルをまとめてフォルダに入れます。

aviには連番で名前を付けます(01.avi、02.avi…)。
音楽ファイルは、wav以外は対応していないようです。(未検証・ソースはニコニコ大百科より)
また、フォルダやファイル名には、全角文字や記号を含めない方が良いようです。
作成したフォルダごと、つんでれんこの[【ここに動画をDD】.dat]へドラッグ&ドロップします。

後は通常のエンコードと同じように、つんでれんこの質問に答えていけばエンコードが開始されます。

【普通のエンコードはできるが、連結エンコードができない場合】
通常のエンコードは問題なく行えるのに、連結エンコードさせようとすると「動画の解析に失敗しました」というエラーメッセージで終了してしまう場合、Avisynthがインストールされていない可能性があります(ソースはまとめWiki)。
つんでれんこの初回起動時に「Archives」フォルダの中にAvisynth_258.exeがダウンロードされているので、手動でインストールしてください。(インストールの方法は各自でお調べください)


おわりに

以上で本講座は終了です。お疲れ様でした。
一応これで、NiVEを使って何かしらの動画を作れるだけの機能は覚えていただけたと思います。

ですが、本講座で解説した機能は本当にわずかなものです。
NiVEはもっともっといろいろなことができる多機能なソフトです。
…と言われても、他にどんなことができるのか知らないと手の出しようがないと思いますので、手前味噌で申し訳ありませんが、以前の記事でNiVEのいろいろな機能を試してみた動画を載せておきます。(画面左上に使用した機能を表示させています)


(海○社長である理由はとくにないです。執筆者が好きなだけです)
 この動画の中で使っている機能も、NiVEの中ではほんの一握りです。

全部の機能を覚える必要はないと思いますが、少しずつ新しい機能を試していきながら、どんどん面白い動画を作っていってください。
また、講座の中で度々紹介しましたが、ニコニコ動画に投稿されている「NAVE難民を救済する動画」シリーズなど、かなり参考になると思います。


それでは、ここまでおつき合いいただきありがとうございました。


※「ここ間違ってるぞ!」というツッコミは大歓迎なので、発見したら容赦なくコメントしてください


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2 件のコメント :

  1. すごく分かりやすい解説で、助かります! で・・・初歩い質問を(笑)

    素材を時間的に挿入するのはどうしたらいいのでしょうか?

    挿入後、その後の素材たちのトリミング時刻を一斉に後ろへずらそうとして、複数選択->右へドラッグなどしてみたのですが、トランジション(トランスフォームの不透明化のキーフレーム)がそのままなので、泣いてます。

    何か良い方法がありそうなのですが・・・
    ぐぐると「キーフレームの連動」とかいうのがそれっぽいんですが、NIVE1 の説明ばかりで NIVE2 ではどうするのか分かりませんでした・・・

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    1. 匿名さん
      コメントありがとうございます!
      「素材を時間的に挿入する」というのがどういう状況なのかちょっとわからなかったのですが、キーフレームをレイヤーに合わせて移動させたい、ということでOKでしょうか?

      レイヤーそのものを移動させた場合はキーフレームも一緒に動くはずですが、
      トリミングではキーフレームは動いてはくれません。
      おそらく、これは設定などでは変えられないと思います。

      レイヤー自体を移動させる方法は
      NiVE2でボカロPVを作る・9 【初心者集中入門講座】(http://memomemo777.blogspot.jp/2012/07/nive2pv9.html)の、『デュレーションの変更とコンポジションのループ』の2段目あたりで説明していますので、ご参照いただければと思います。

      また、トランスフォームの項目(「スケール」「不透明度」など)をクリックするとその項目のキーフレームがすべて選択されますので、キーフレームの間隔を保ったままドラッグすることはできます。

      あまりお役に立てない回答で申し訳ありません。
      またご質問などがありましたら、お気軽にコメントください。

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