2012年7月10日火曜日

NiVE2でボカロPVを作る・1準備編 【初心者集中入門講座】

フリーのモーショングラフィックソフトのNicoVisualEffects2(以下NiVE)を使って、VOCALOIDのミュージックビデオを作成するチュートリアルです。
動画作成の一連の流れを通して、NiVEの基本的な使い方を解説していきます。
【対象】 NiVE2をインストールしてみたけど、「手も足も出ない」状態の人
特殊効果などの使い方以前の問題(タイムラインの見方がわからない等)の人が、
「難しいことはいいから、とにかく素材を動かせるようになる」ことが目標です。

【第1回 準備編のポイント】

  • 新規プロジェクトの作成
  • コンポジションの作成
  • プロジェクトとコンポジションの簡単な説明
  • 操作画面の簡単な説明
  • プロジェクトの保存



この講座で解説するのは、コンポジションやデュレーションといった、知ってないとNiVEを操作する上でどうにもならない用語の説明と、素材の移動、拡大縮小などの基本中の基本の操作説明のみです。

よって、下記の機能はNiVEの特徴的で魅力的な機能ですが、本講座では解説しません。
●特殊効果(エフェクト)●3Dレイヤー、カメラ、ブラー、ライトレイヤー●エクスプレッション制御●プラグイン●テキストアニメーション 等


この講座で作るPV

この講座では、【初音ミク】 サイハテ 【アニメ風PV・オリジナル曲】(sm2053548)のような動画を作ることを目指します。

※サイハテは、曲・動画共に小林オニキスさんの作品です。

曲の素晴らしさもさることながら、このPVも本当に素敵です。
派手なエフェクトも使用していないし、イラストのカット数もそんなに多くないのにもかかわらず、 グリグリ動いてる感があり、モーションもキレがあってカッコいい。
「難しいことをしなくても、(センスがあれば)こんなに良い動画が作れるんだ!」と気づかせてくれる作品です。


というわけで、執筆者が実際にNiVEでサイハテのパロディPVを作りました。



…使用ボカロについて言いたいことがあるかもしれませんが、生憎ウチにはこの二人しかいません。
(ちなみにまつっぽいどはVOCALOIDではなく、UTAUです)

それでは実際にやっていきます。
NiVE2を公式サイトからダウンロードし、インストールしておいてください。
2012年7月10日現在の最新バージョンは、2.14です。 本講座では、このバージョンを使用します。


新規プロジェクトとコンポジションの作成

NiVEを起動すると、最初に下記のようなウィンドウが表示されます。

新規プロジェクトをクリックします。 すると、「コンポジションの設定」というウィンドウが出ます。

コンポジションは、「レイヤー(素材)を入れる箱」のようなものだとイメージしてください。
Niveでは、コンポジションという箱の中に音や画像などの素材を配置し、動かしたり回転させたりします。

(1)サイズ:
画面サイズを設定します。単位はピクセルです。今回は640×384(ニコ動16:9サイズ)にします。※ニコニコ動画Zeroでは864x486になります。これから動画を作成する場合は、こちらのサイズを推奨します。
※2013.7.30追記 ニコニコQでの大画面解像度は854x480になりました。画面解像度は今後も変更されることがあるかもしれませんので、ニコ動のまとめwikiなどを参照にしてください。

【2013.10.27追記】
youtubeなど、ニコ動以外の動画サイトへのアップロードも考えている人は、1280×720(16:9)のハイビジョンサイズに設定することをおすすめします。 

(2)フレームレート:
1秒間に何フレーム進めるか、という設定をします。30fpsにしておきます。フレームとは、アニメでいう「コマ」のことです。30fpsなら1秒に30フレーム再生します。

(3)長さ:
コンポジションの長さです。サイハテは2分40秒程度の曲なので、余裕をみて3分に設定しました。読み方は、『時間:分:秒:フレーム』です。

(4)名前:
コンポジションの名前です。「サイハテ」としました。

その他の項目は、初期設定のままにしておきます。設定が終わったら[OK]をクリックします。


プロジェクトとコンポジションについて、簡単な説明

【プロジェクト】
起動して初めに「新規プロジェクト」を作成しました。プロジェクトは、アイテム(素材)の名前や場所などの情報、コンポジションの情報などが保存されるNiVEファイルです。

【コンポジション】
先ほど少し説明しましたが、「レイヤー(素材)の入れ物」だと思ってください。
コンポジションの中に素材を配置し、「何秒でこれだけ動かす」というような設定をしていくことで、様々なモーションを作っていきます。
ですから、コンポジションは一つのプロジェクトに最低一つは必要になります。

また、コンポジションは複数作成し、入れ子にすることが可能です。つまり、コンポジションの中にコンポジションを配置し、それ自体をレイヤーとして扱うことができます。(意味が分からない人も、操作していくうちにイメージがつかめるようになると思うので、気にしなくていいです)


操作画面の簡単な説明

コンポジションの設定が終わると、下記のような画面が表示されているはずです。
クリックで拡大します
(1)アイテム
素材の一覧を表示するパネルです。素材を読み込むと、アイテムパネルに追加されます。また、コンポジションもアイテムリストに表示されます。左図では、先ほど作った「サイハテ」というコンポジションが、アイテムリストにすでに追加されています。
(2)ヒストリー
操作履歴が記録されます。Niveを閉じるとクリアされます。
(3)プレビュー
タイムラインで表示しているコンポジションの、インジケータが示す時間の内容をプレビュー表示します。最初に作った「サイハテ」というコンポジションのプレビュー画面が表示されているはずですが、今はまだコンポジションの中に素材を配置していないので、真っ暗な状態です。

(4)タイムライン
コンポジションの中の時間軸とレイヤーが表示されます。
先ほど作成した 「サイハテ」というコンポジションの中を表示しているので、左上のタブに「サイハテ」と書いてあります。
右側上部に時間の目盛りが表示されてます。小文字の「s」は「秒」の意味です。
このコンポジションの長さは先ほど3分と設定しましたので、タイムラインに表示されている時間も3分までとなっています。



各パネルはドラッグで自由に大きさや位置を変えることができます。


プレビュー画面の背景色を変える

現在プレビュー画面は何も素材を配置していないため、真っ暗な状態です。この状態だとどこからどこまでがコンポジションの画面なのかわかりません。
そこで、プレビューパネルの背景色を変えてみましょう。


プレビューパネルの左下にある、右から7番目の黒いアイコン(左図参照)をクリックしてみてください。「色の設定」というウィンドウが出ますので、灰色を選んで[OK]を押します。
すると、左図のようにプレビューパネルの背景が灰色に変わり、どこが画面なのかがはっきりわかりました。

この黒い領域が、コンポジションの画面になります。



プロジェクトの保存

画面上にあるメニューバーから[ファイル]→[プロジェクトの保存]で、任意の場所に、任意の名前で保存してください。





準備編はこれでこれでおしまいです。
次回はアイテムの読み込み、配置等を解説します。
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