NiVE2をインストールしてみたけど、「手も足も出ない」状態の人が、「難しいことはいいから、とにかく素材を動かせるようになる」ことが目標です。
【第9回のポイント】
- Nullオブジェクト
- デュレーションの変更
- コンポジションのループ
※画像はクリックで拡大表示します。
まずはNiVEを起動して前回までのプロジェクトファイルを開きます。
今回はBメロのシーンを作る続きです。
【前回に引き続き、作成中のシーン】※音は入っていません
今回は引き続きBメロのシーンを作成していきます。
Nullオブジェクトで複数のレイヤーを制御する
このシーンは、ほとんど同じ動きの繰り返しでできています。
1サイクルは46フレームあります。
この1サイクルの拡大縮小の動きだけ追うと、最初の13フレームはレイヤーを300%拡大したものから80%までのズームアウト、残りのフレームで100%の大きさまで戻す、という動き方をしています。
ですが、すべてのレイヤーに同じ設定をするのは面倒です。この動きを、Nullオブジェクトを使って一括で制御しましょう。
【Nullオブジェクト】
「Null」というのは、なにもないという状態を表します。
Nullオブジェクトは視覚的に見ることはできませんが、プレビューパネルではアンカーポイントのみ表示されます。
実体は持たないが、そこにあるという、なんだか不思議なオブジェクトです。
それでは早速Nullオブジェクトをつくります。タイムラインの空いているところで[右クリック]→[Nullオブジェクト]を選択します。
Nullオブジェクトが作成されたら、拡大縮小させたいすべてのレイヤーの親を、Nullオブジェクトに設定します。
ただし、前回腕の関節で親レイヤーを設定したレイヤーはそのままにしておきます。(親の親の動きも、子レイヤーは影響を受け動きます)
左図のように、親レイヤーを設定しました。
【レイヤーの拡大縮小】
レイヤーを拡大・縮小させるには、「スケール」の値を調整します。
00:00fへインジケータを移動させ、Nullオブジェクトレイヤーの「スケール」の横にある時計アイコンをクリックしてキーフレームを作成します。
「スケール」の値は、「横(%)×縦(%)」という表記です。
ここは、縦、横とも300%に設定します。
Nullオブジェクトの子レイヤーが一気に大きくなりました。
次に00:12fへインジケータを移動させ、Nullオブジェクトレイヤーのスケールを「80×80」に変更します。
すると左図のように、レイヤーが一気に小さくなりました。
さらに、01:15fへ移動し、Nullオブジェクトの値を「100×100」とします。
これで一気にレイヤーの拡大・縮小を設定することが出来ました。
後でスケールの値を変更したくなったときはNullオブジェクトだけ数値を修正すれば良いので、非常に管理が楽になります。
長さを「46」としました。「00:00:00:00」の表記でもいいのですが、単純に数字のみを打ち込むと、フレーム数として数えてくれます。
設定したら、OKを押して戻ります。
タイムラインが46フレームになりました。
仮置きしておいた白と黒のカラーイメージは、削除しました。
「Bメロのシーンは同じ動きの繰り返し」というお話をしましたが、具体的には先ほど作った1サイクル分のコンポジションをループ処理(繰り返し処理)して、表現しています。
これから、ループの設定方法を解説していきます。
タイムラインの「サイハテ」コンポジションのタブをクリックして、タイムラインとプレビューの表示を「サイハテ」コンポジションにします。
アイテムパネルから「ボール」コンポジションをダブルクリックして、配置します。
46フレームしかないので、非常に短いですね。
左図のように、タイムライン上のボールコンポジションのところにマウスをのせて、ドラッグして表示の開始位置を調整します。
(トリミングとは違います。移動です)
46フレームだけではとても尺が足りないので、コンポジションの長さを引き延ばします。
タイムラインからボールのレイヤーを[右クリック]→[デュレーションの変更]を選択します。
【デュレーションとは】
あまり聞きなれない言葉だと思いますが、要は再生時間のことです。
必要な分の長さを設定します。正確でなくて大丈夫です。
左図では、20秒くらいあれば足りると思ったので、20秒に設定しました。
すると、速度が変な値になりました。
長さを変更したことによって、再生速度がどうなるかを自動で計算して表してくれています。46フレーム(1秒半くらい)しかなかったコンポジションを20秒まで引き延ばすと、元々の速度の7%台まで落ちるということがわかりますが、気にせずOKを押します。
コンポジションが20秒分の尺に伸ばされました。必要な分だけトリミングして表示させます。
【コンポジションの内容をループさせる】
コンポジションの内容をループ(繰り返し)させる設定を行います。
まず、タイムラインパネルの上部にある、映画のフィルムのようなマークを押します。
これを押すことで、ループやフレームブレンドの処理が有効になります。(フレームブレンドは、デュレーションを引き延ばしすぎてカクカクになった映像のフレームを補完する機能ですが、本講座では解説しません)
次に、ボールのコンポジションレイヤーの「fx」というアイコンの隣をクリックし、図のようにフィルムのアイコンを表示させます。これでループの設定は完了です。
(ちなみにもう一度おなじところをクリックすると、フィルムが重なったようなアイコンになります。これはフレームブレンドを設定した状態になります)
インジケータを動かしたり、プレビュー再生などで、確認してみてください。
ここまでできたら、あとはBメロのラストのシーンを追加するだけです。いくつかのボールが上にあがってくるシーンと、大きなボールがくるくると回転しているシーンです。
ですが、Bメロのこの最後のシーンは、特に解説の必要はないと思います。
いくつかのボールを配置した素材と大きいボールの素材を用意し、
それぞれ移動、回転のみで表現しています。
AメロとBメロのレイヤーを1つのコンポジションにまとめてしまいます。
AメロとBメロのレイヤーをすべて選択し[右クリック]→[プリコンポーズ]を選択します。
名前は、「メロ1」としました。
長さは、Bメロまでのだいたいの長さです。
プリコンポーズでできたコンポジションレイヤーの、不要な部分をトリミングします。
(やらなくてもいいような気もしますが、執筆者の感覚で、トリミングしておいた時の方が、プレビュー時に動作が軽い気がしたので一応)
【注意】
今回はプリコンポーズした際に、気を付けなければならない点があります。
新しく作ったコンポジションの中では、ループやフレームブレンドの処理が有効になっていませんので、ボタンを押して有効にしておきます。
この設定は、コンポジションごとに行う必要があります。
次回は、サビのシーンから解説していきます。
第十回へ→
講座目次へ→
「Null」というのは、なにもないという状態を表します。
Nullオブジェクトは視覚的に見ることはできませんが、プレビューパネルではアンカーポイントのみ表示されます。
実体は持たないが、そこにあるという、なんだか不思議なオブジェクトです。
それでは早速Nullオブジェクトをつくります。タイムラインの空いているところで[右クリック]→[Nullオブジェクト]を選択します。
Nullオブジェクトが作成されたら、拡大縮小させたいすべてのレイヤーの親を、Nullオブジェクトに設定します。
ただし、前回腕の関節で親レイヤーを設定したレイヤーはそのままにしておきます。(親の親の動きも、子レイヤーは影響を受け動きます)
左図のように、親レイヤーを設定しました。
【レイヤーの拡大縮小】
レイヤーを拡大・縮小させるには、「スケール」の値を調整します。
00:00fへインジケータを移動させ、Nullオブジェクトレイヤーの「スケール」の横にある時計アイコンをクリックしてキーフレームを作成します。
「スケール」の値は、「横(%)×縦(%)」という表記です。
ここは、縦、横とも300%に設定します。
Nullオブジェクトの子レイヤーが一気に大きくなりました。
次に00:12fへインジケータを移動させ、Nullオブジェクトレイヤーのスケールを「80×80」に変更します。
すると左図のように、レイヤーが一気に小さくなりました。
さらに、01:15fへ移動し、Nullオブジェクトの値を「100×100」とします。
これで一気にレイヤーの拡大・縮小を設定することが出来ました。
後でスケールの値を変更したくなったときはNullオブジェクトだけ数値を修正すれば良いので、非常に管理が楽になります。
コンポジションの設定を変更する
これで、ようやく1サイクル分の動きを作ることが出来ました。
このコンポジションを作成するとき、長さを10秒に設定しましたが、本来の46フレーム分の長さに変更しましょう。
コンポジションの設定を変更するには、上部のメニューから[設定]→[コンポジションの設定]を選択します。長さを「46」としました。「00:00:00:00」の表記でもいいのですが、単純に数字のみを打ち込むと、フレーム数として数えてくれます。
設定したら、OKを押して戻ります。
タイムラインが46フレームになりました。
仮置きしておいた白と黒のカラーイメージは、削除しました。
デュレーションの変更とコンポジションのループ
「Bメロのシーンは同じ動きの繰り返し」というお話をしましたが、具体的には先ほど作った1サイクル分のコンポジションをループ処理(繰り返し処理)して、表現しています。これから、ループの設定方法を解説していきます。
タイムラインの「サイハテ」コンポジションのタブをクリックして、タイムラインとプレビューの表示を「サイハテ」コンポジションにします。
アイテムパネルから「ボール」コンポジションをダブルクリックして、配置します。
46フレームしかないので、非常に短いですね。
左図のように、タイムライン上のボールコンポジションのところにマウスをのせて、ドラッグして表示の開始位置を調整します。
(トリミングとは違います。移動です)
46フレームだけではとても尺が足りないので、コンポジションの長さを引き延ばします。
タイムラインからボールのレイヤーを[右クリック]→[デュレーションの変更]を選択します。
【デュレーションとは】
あまり聞きなれない言葉だと思いますが、要は再生時間のことです。
必要な分の長さを設定します。正確でなくて大丈夫です。
左図では、20秒くらいあれば足りると思ったので、20秒に設定しました。
すると、速度が変な値になりました。
長さを変更したことによって、再生速度がどうなるかを自動で計算して表してくれています。46フレーム(1秒半くらい)しかなかったコンポジションを20秒まで引き延ばすと、元々の速度の7%台まで落ちるということがわかりますが、気にせずOKを押します。
コンポジションが20秒分の尺に伸ばされました。必要な分だけトリミングして表示させます。
【コンポジションの内容をループさせる】
コンポジションの内容をループ(繰り返し)させる設定を行います。
まず、タイムラインパネルの上部にある、映画のフィルムのようなマークを押します。
これを押すことで、ループやフレームブレンドの処理が有効になります。(フレームブレンドは、デュレーションを引き延ばしすぎてカクカクになった映像のフレームを補完する機能ですが、本講座では解説しません)
次に、ボールのコンポジションレイヤーの「fx」というアイコンの隣をクリックし、図のようにフィルムのアイコンを表示させます。これでループの設定は完了です。
(ちなみにもう一度おなじところをクリックすると、フィルムが重なったようなアイコンになります。これはフレームブレンドを設定した状態になります)
インジケータを動かしたり、プレビュー再生などで、確認してみてください。
ここまでできたら、あとはBメロのラストのシーンを追加するだけです。いくつかのボールが上にあがってくるシーンと、大きなボールがくるくると回転しているシーンです。
ですが、Bメロのこの最後のシーンは、特に解説の必要はないと思います。
いくつかのボールを配置した素材と大きいボールの素材を用意し、
それぞれ移動、回転のみで表現しています。
プリコンポーズして、まとめる
AメロとBメロのレイヤーを1つのコンポジションにまとめてしまいます。AメロとBメロのレイヤーをすべて選択し[右クリック]→[プリコンポーズ]を選択します。
名前は、「メロ1」としました。
長さは、Bメロまでのだいたいの長さです。
プリコンポーズでできたコンポジションレイヤーの、不要な部分をトリミングします。
(やらなくてもいいような気もしますが、執筆者の感覚で、トリミングしておいた時の方が、プレビュー時に動作が軽い気がしたので一応)
【注意】
今回はプリコンポーズした際に、気を付けなければならない点があります。
新しく作ったコンポジションの中では、ループやフレームブレンドの処理が有効になっていませんので、ボタンを押して有効にしておきます。
この設定は、コンポジションごとに行う必要があります。
これでようやく、Aメロ・Bメロのシーンが完成しました。
残りのシーンは、これまで解説してきた手法を組み合わせることでほぼ実現できます。
ですので、次回からは細かい手順は解説しません。
各シーンでどのような素材を、どのように動かしているかの説明と、ポイントのみの解説とさせていただきたいと思います。
それでは、今回はこれで終わりです。ですので、次回からは細かい手順は解説しません。
各シーンでどのような素材を、どのように動かしているかの説明と、ポイントのみの解説とさせていただきたいと思います。
次回は、サビのシーンから解説していきます。
第十回へ→
講座目次へ→
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